

手話をするとき、手の動きや指の曲げ伸ばし、開き具合、手の甲と平の向き、いったいどこまで細かく気にすればよいのでしょうか?
手話は地域や年齢によっても表現がいろいろあり、その違いが何のちがいなのかも判断が難しいところです。
その判断の手助けになってくれるのが、その手話の由来や何をイメージしているかということです。
今日は、そのことについて、例をあげて見てみましょう。
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お母さんという手話と小指&手の向き
「母・お母さん」という手話は、
表現①右手(利き手)の人差し指で頬に触れてから小指を立ててやや上にあげる。
表現②右手(利き手)の小指を立てて、頬にあててから、やや上にあげる。
この2つの表現に共通しているのは「小指」です。
では、手の甲を相手に見せるのでしょうか?自分に向けるのでしょうか?
正解は「手の甲を相手に見せる」です。
手話での小指は「女性」を表しますが、「女性」の手話は手の甲を相手に見せて小指を立てます。
ですので、「母・お母さん」も手の甲を見せないとおかしいのです。
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頬に触れるという動きの意味
表現①と②に共通するもう一つの動きは、頬にふれるという動きです。
頬にふれるのは、「肉親・家族」を表しています。
ですので、父親、お父さん、祖父、祖母などにも共通する動きです。
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「お母さん」表現①と②は地域の違い?
私は、この動画を作ったとき、手話辞典や各都道府県の配信する手話紹介動画、手話検定のテキストや手話講習会のテキストを調べて確認しながら作りました。
しかし、この表現①と②の違いについて書かれているものはありませんでした。
この動画を作ってから、1か月くらいあとになって、日本語対応手話についての記述を読んでいたところ、偶然、これについて書かれている箇所を見つけました。
この表現①と②の違いは、①か簡素化されたものが②になったということでした。
話し言葉の日本語が、標準語ができたり、旧漢字が簡素化されて使いやすくなっていくように、手話も変化しています。
新しい言葉がでてくるにともない新しい手話もどんどんできています。
その中で、大きな動きや難しい動き、動作の数はなるべく減らそうということになっているそうです。
「お母さん」の手話も、表現①の「人差し指で触れてから小指を出す」より、表現②の「最初から小指で頬に触れ、そのまま少し上にあげる」ほうが簡単ですよね。
…ということで、これは地域の差ではなかったのです。
しかし、この手話を各都道府県の手話入門講座で採用するかどうかはわかりません。
私は、この表現②は金沢市公式チャンネルの手話紹介動画で見たので、金沢市で手話を習い始めた人はこれを使うようになるでしょう。
しかし、他の都道府県では表現①を採用しており、この手話の違いは地域の差ではないのですけれど、結局、地域の差になってしまうのかもしれませんね。
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大変長い文章ですが、おもしろいのでリンクを貼っておきます。
よかったら、どうぞご覧ください。
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金沢市公式手話紹介動画
自己紹介「家族」
金沢市の手話紹動画は、とてもわかりやすくて好きです。
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もうひとつ「英語」という手話について
「英語」にもいろいろ表現がありますが「イギリス」をしてから「書く動作」をする表現があります。
この表現の「書く動作」は、どう表すのが正解でしょうか?
英語の場合、縦書きで表すとなんだか違和感がありませんか?
英語は横書きにするものだからです。
ですので、「英語」の表現の書く動作は横書きの動作になります。
このように、実際のイメージを知っていると表現もしやすくなりますね。
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英語の手話
英語の手話は、地理・公民のあとに出てきます。
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